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聖司にからかわれ両手を頬に当てて赤くなる顔を隠す。
彼は目を細め、意地悪そうにクスクスと笑った。
「新田くんって、意地悪なんだ……」
「俺、意地悪だよ。杉崎さんがあんまりにも可愛いから、つい苛めたくなる」
(またそうやって、可愛いって言う……)
昨日から聖司は何度も成美を甘やかす言葉を言ってくれる。
お世辞なのだろうと思いつつも、嬉しい気持ちは誤魔化せず、素直に胸はときめきに震えた。
「お腹すいた」
子どもみたいに訴えながら、聖司はむくりと起き上がる。
何も身につけないオトコの肢体が、はだける布団から現れた。
朝陽に射される色素の薄い髪が、彼の高貴さを表すように透けてキラキラと煌めく。
引き締まった胸板は、朝なのにもかかわらず妖艶で淫靡だ。
「ご、ご飯できてるよ。シャワー使ってもらっていいから、それから食べよ」
「うん、ありがとう」
淫靡な姿態に似合わず、とても可愛らしい聖司の笑顔は、成美の胸をこれでもかとくすぐった。
下着だけを身につけた聖司は、成美が畳んでおいた服を手に歩み寄ってくる。
朝の時間に見るのには刺激の強い姿から目を逸らした成美。
バスルームはあっちだと指をさすと、聖司は突然成美の腰を引き寄せた。
はっとし気づいた時には、聖司は成美の顎をすくい上げ、昨夜の熱を残した口唇で舐るように口づけを落とした。
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