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予備校の建物裏の駐車場に向かうと、外灯から離れた暗がりの中に愛車を見つける。
周囲に姿が見えない梓はおそらく車内だ。
待たせていることに少し申し訳なさを感じながらも、近づく足取りは重かった。
運転席側のドアを開けた瞬間に、梓の涙声が漏れてくる。
「……せん、せ……」
いつものことだと呆れ、さっと車に乗り込みドアを閉めた。
「ロックは掛けなさいっていつも言ってるだろ」
暗がりの中、車内に灯るルームランプの淡い明かりに浮かんで見えたのは、艶かしい女の生足。
助手席に両足を上げ、いやらしげな水音を自ら掻き鳴らす梓の醜態だった。
「誰か来たらどうするんだよ。襲われても知らないぞ」
「……だ、ってぇ……先生の匂いに、包まれて、たら……我慢、できなくて……」
はあはあと火照った息を零す梓は、運転席の聖司を潤んだ瞳で見つめる。
聖司の姿を見たからだろうか、梓は自分を激しく追及しだした。
「せ、っせぇ……っ」
苦しく啼く声が密室を満たしていく。
聖司はその様子を無感情で視界に映す。
片手で自分をかき回し、もう一方の手はシャツの下で自分の乳房を揉みしだく。
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