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「そういえば、コウくんとえみかちゃん遅いね?」
この間、えみかちゃんにフラれかけていたシュンに説教して……
そのおかげで仲直り出来たからと、食事に誘ってくれた。
それならカラオケがいいという二人の提案で、今日は4人でカラオケに来た。
…ボーカルをしてたシュンとあたしの歌を聴いてみたいらしい。
セルフサービスのドリンクを、ジャンケンで負けた二人が取りに行ってくれたんだけど……。
シュンはおもむろに立ち上がると、部屋の扉を勢いよく開ける。
「わっ」
そこには、両手にドリンクを持ってバランスを崩しかけた二人。
「……何コソコソしてんだよ?」
シュンの低い声に、バツの悪そうな表情で入って来る。
「……だって……入りにくい雰囲気だったもん……」
頬を膨らまして言うえみかちゃん。
可愛いなぁ……昔のあたしはそうやって言えなかった。
それからもう一人の、ヤキモチ妬きの…可愛い子。
あたしは何か言いたげなコウくんの腕を引っ張って、体を引っ付ける。
それを見てシュンがクスッと笑った。
「本当、変わったよな。ユカがそんな風に甘えてるとこなんて、俺は見た事なかったからな」
「えっ!?ホントに!?そうなん!?」
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