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「あれ?ユカ…ついこの間も弦替えてなかったか?」
ドキッ
ギターの弦を張り替えてるところをハヤトに見つかった。
「不注意で切れちゃって……あはは……」
隣に座ったハヤトは、外したばっかりの弦を見て眉をひそめる。
「……これ……切れたっていうより、切ったように見えるけど……」
「…………」
「……もしかして、シュンが原因?」
……最近、そういう事がよくあった。
ギターから少し離れた間に弦が切れてたり、
スコアが破れてたり……
シュンと付き合ってから何ヵ月か経って、あたしが彼女だっていう事が少しずつ周りに知られてきていた。
シュンは確かに人気者だけど……それが原因かどうかはまだ分からない。
「シュンには…」
「お願い!誰にも言わないで!!……まだ嫌がらせかどうかも分からないし……」
「そんな悠長な事言ってる場合かよ!?大事になってからじゃ遅いだろ!?」
「ハヤト……お願い……」
ハヤトの腕を掴んで頭を下げた。
「……俺には相談しろよ……」
「……ありがとう……」
シュンのバンドのRed Hotは、軽音部だけじゃなくてライブハウスでも精力的に活動していた。
最近はコピー以外のオリジナルも作ったりして……どんどん忙しくなってる。
相変わらずシュンは人望も人気もあるし、彼女がいるって知ってても近付いてくる女の子はたくさんいる。
……シュンの邪魔はしたくない。
もし邪魔になったら……シュンだって、きっと他のもっと可愛い子の方が良くなっちゃうもん……。
元彼だってそうだったんだから……。
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