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教室に向かうと、開いたままの扉の奥から話し声が聞こえた。
……シュンと……リン……!?
「あたし本当にシュンのこと好きなの!」
ハッキリとしたリンの言葉に心臓が高鳴って、思わず息を飲んだ。
……そのまま、リンの腕がシュンの体を引き寄せて……
二人はキスをした……。
頭の中が今見た光景でいっぱいになって、
気が付いたら無我夢中で走っていた。
「ユカ!?どうした!?また何かされたのか!?」
「……ハヤト……」
偶然通りかかったハヤトに呼び止められて、
あたしは崩れ落ちるようにハヤトの胸に飛び込んだ。
……ずっと、いつかこうなるんじゃないかって思ってた。
シュンと付き合ってる間、あたしは常に怯えていたのかも。
……もう疲れちゃった。
だから……現実を見せられる前に、あたしから離れよう。
……そう決めてから、全てを失くすのはあっという間。
シュンの連絡先を消した。
最初は向こうから連絡があったり会いに来たりもしたけど、それもすぐになくなった。
……なんだ、こんなものだったんだ。
あたしが今まで、必死に守ろうとしていたものは。
こんなにあっけなく終わっちゃうような関係だったんだね……。
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