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軽音部も辞めた。
シュンを見かけるだけで手が震えて……弾けるような状態じゃなかったから……。
ハヤトもヤエもサヤカも、あたしを責める事はなかった。
それどころかずっと心配してくれて……。
「ユカ……やっぱり一回でもいいから、シュンと話した方が……」
「サヤカ!!」
「……ハヤト……だって……」
「……ありがとう。でも、やっぱり会う勇気ない……」
それからはシュンの話題は出さないでくれたけど、それでも三人ともずっと一緒にいてくれた。
大学を卒業した今でも、ずっと連絡を取り合う大切な友達。
……実はハヤトには、4回生の時一度告白された。
「俺だったらユカを泣かせたりしねーから、俺にしとけよ」
シュンと別れてからずっと……ううん、付き合ってる時から、
気付いたら一番傍にいてくれた男友達。
「ありがとう……あたし、ハヤトの事大好きだよ。でも……思った以上に今でも、シュンの事忘れられないみたい……」
「……そう言うと思った。今ならちゃんと話せるんじゃないか?ユカが会いたいって言うなら、俺がシュンに言うから」
……あたしは、会わなかった。
あれからシュンには一度も会ってないけど、有名人だから噂は聞こえてくる。
あたしと別れてから彼女が出来たっていうのも……。
結局、あたしは自分に自信を持てず何にも変わらないまま、
新しい恋も出来ないまま……
シュンに対する気持ちをなんと4年も引きずった。
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