Stand By You

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「こないだの曲、良かったけど声出しにくいんじゃないか?」 「…………うん、そうなんだけど……」 あれから……遠い存在だと思ってた小早川くんは意外にもよく話しかけてくれて。 …多分、あたしが下手くそだからアドバイスをくれてるんだけど。 「女ボーカルの曲は考えてねえの?」 「うーん……あの曲レベル的に丁度いいんだよね。好きなバンドも男の人ボーカル多いし……でも小早川くんの言う通り、低い声あんまり出てないよね」 自分でも気にしてたんだけど、ハッキリ言われるとちょっと凹むなぁ。 「シュン」 「え?」 「同じ軽音部の仲間なんだから、シュンでいいよ。名字呼びにくいだろ?」 「あ……うん、シュン……くん」 こういう事も普通に言えちゃうんだなぁー。 でもきっと…シュンくんは慣れてるだろうし、なんでもない事なんだろうけど。 なんか意識してる自分が恥ずかしいかも……。 「ユカ」 ドキッ きゃー! 他意はないって分かってるのに、ドキドキしちゃう! 「ユカの声って、JAMとか合うんじゃないかと思うんだけど」 「えっ!?そうかなぁ?JAMってけっこう声高いし……それにギターかなり難しいよね?」 「まあな……でも今のレベルで続けるより、チャレンジしてみるのもいいと思うけど?一回歌ってみろよ」 「えーっ!?今!?」 「おう!『Over Drive』いける?」 「うっ…うん…!」 シュンくんがギターを弾いてそれに合わせて歌う……。 ……確かに歌いやすい!! それになんかいつもより声出てる!? シュンくんのギターが引っ張ってくれてるんだ……気持ちいい!! そうやって歌ってるとこに、うちのメンバーもぞろぞろとやって来て。 「ユカ、いいじゃん!声合うね!あたしJAM大好きなんだよねー!」 「だろ?Halloweens、今度JAMの曲良くねぇ?」 「シュンのクソ上手いギター聴かされたらプレッシャーなるなぁー」
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