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このお話は二人称です。
あなた、の物語です。ストーリーテラーである私があなたの状況を説明します。
あなたは男性で名前は紺野次郎(こんの・じろう)です。レトロな名前は祖父が付けました。年齢は22歳。背格好は普通。
あなたは、ある大学院で学んでいる若者です。希望に満ちてはいるものの、いかんせん生活はきびしいでしょう。今月の家賃を払ったら、ショーウィンドウに飾られている秋服のジャケットは、ガマンしなければなりません。
もう少し、お金が必要です。しかしアルバイトは厳しいものでした。親からの仕送りもあまり期待できません。
なんとなく空を見上げましたが、ごく普通の朝の空です。途切れ途切れの雲を眺めたところで、お金の心配が解消されるようなアイデアは浮かびません。
あなたは困ったな、と考えつつ大学院へ向かいました。
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