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「なぁに?シュンから話があるなんて?」
リンが嬉しそうに寄って来る。
あの後もリンは事あるごとに俺に近付いてきていたが、俺は相手する気持ちにもならずずっと無視し続けていた。
「…リンって、まだ俺の事好きなのか?」
「もちろんよ!色んな人に告られたりはするけど、やっぱりシュンしか考えられない!」
「……でも俺、まだユカの事が……」
ユカの名前を出すと顔色を変えて、慌てて携帯を取り出した。
「これを見ても同じこと言える!?ユカってば、ハヤトと浮気してたのよ!?」
見せられた画面にはユカを抱き締めるハヤトの写真。
……多分、俺とリンのキスを見て泣いた時だよな。
これを撮ってるってことはやっぱり……。
「…これってリンが撮ったのか?」
「ううん。軽音部の後輩だけど…」
「……そっか……やっぱ浮気されてたんだな」
ワザとらしく落ち込んだフリをすると、リンが抱き締めてきた。
「……あたしがユカのこと、忘れさせてあげる」
あの日の事をリンが仕組んでたのは多分間違いないが……もっとハッキリした証拠が必要だな。
『リンに近付いて、証拠を掴んでよ。ついでに付き合うフリして最後は思いっきりフッて!ユカがやられた分、リンにも傷付いてもらわないと気が済まない!!』
……女って怖えな、って思ったが。
サヤカだけじゃない。
ユカを傷付けられてムカついてんのは、俺も同じだ。
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