7人が本棚に入れています
本棚に追加
リンは早速俺と付き合ってる事を周りに触れ回った。
目的の為だから仕方ないとは思うが……ユカの耳に入らないかとそれだけが心配だった。
「一応ユカには隠してるけど、どっから聞いちゃうか分かんないしね……。とにかく成功したら、ユカに会えるようにちゃんと取り持ってあげるから!!その時に自分の口で説明しなよ!」
「……ああ。さっさと終わらそう」
サヤカにはそう言ったが……リンもそんなに簡単には口を割らないだろうな。
「あの……ちょっといい?」
「!!シュン先輩!?」
軽音部の後輩で、あの例の事件の日にユカを呼び出しに来たらしい女の子。
彼女なら何か知ってるかもしれない……。
「……すみませんでした!!」
「え……?」
「聞きました。ユカ先輩と別れたって……。私達、リン先輩に頼まれて……」
「私達って事は、他にも?」
「……はい……うちのバンドは皆、ユカ先輩の噂を広めたり嫌がらせの手伝いをするように言われて……PINKYに憧れてる子がいて断れなくて……」
怯えたように震えて、今にも泣きそうな声で言った。
やった事は悪いが、断れなかったのは本当なんだろうな。
無関係の人間まで巻き込んで……そこまでしてユカを……。
最初は弁償と謝罪ぐらいでいいかと思ってたが、益々ムカついてきた。
こうなったら……。
「……じゃあさ……協力してくれる?じゃないと、君達も軽音部から追い出す事になる」
最初のコメントを投稿しよう!