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「リンってさ、副部長の事好きだったんだって?」
講義の後にリンを呼び出して、切り出した。
「…え!?何それ!?誰がそんな事言ったの!?そんな訳ないじゃん!!あたしは新歓の時からずっとシュン一筋だよ?」
「ふーん……そうなんだ?」
「うん!副部長なんてあり得ないよー!!」
「だって……副部長?」
少し声を大きくして呼びかけると、隠れていた副部長が姿を現した。
「な…なんで…!?」
「リン……なんでシュンと付き合ってんだよって思ったら……俺はお前が付き合ってくれるって言ったから、Halloweensの曲をコッソリ教えたのに……」
「考えるって言っただけよ!勘違いしたのはそっちでしょ?」
「……じゃあ、弦を切ったのは?」
俺が問いかけると、リンがピタッと黙った。
「……何の事?」
「みんなに証言は取ったから、今更言い逃れは出来ねえよ」
「みんなって……」
サヤカに連れられて、後輩バンドやPINKYのメンバーがぞろぞろと出てくる。
「なっ…アンタ達!裏切ったの!?」
「…じゃあ、認めるんだな?部長?」
最後に軽音部の部長がリンの前に進み出た。
「……全部話は聞いた。弦を切ったり嫌がらせしたり、音楽が好きな人間のやる事じゃない。……そんなバンドはうちの部にはいらない。PINKYは全員退部だ」
「……そんな……」
顔面蒼白になったリンに、サヤカが言い放った。
「ちょっと可愛いからって調子乗ってんのか知らないけど、アンタなんか音楽やる資格ないわよ!それと、弦とスコアの代金、弁償してもらうわよ!!」
「……シュン……あたしと付き合ってくれるって……」
「ちょっと可愛いからって調子乗ってんのか知らねえけど、俺は性格の悪い女は嫌いなんだよ」
隣でサヤカが、真似すんなよ、って小さく吹き出した。
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