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「……俺だって後悔してるよ。あの時、何が何でも追いかけてちゃんと気持ちを聞けばよかったって」
俺がこんな言葉を人に言う日が来るとは。
就職してからも、女と付き合っては別れて……を繰り返してるのは同じだ。
それでもユカと比べてしまう自分がいる。
「聞かないで後悔するより、聞いて後悔する方がまだ生産的だろ?」
「…自分から相談しといて、すみませんでした。もうちょっと、頑張ってみます」
……意外と素直で可愛いじゃん。
相談に乗ってる相手は、会社の後輩の鈴木えみか。
そう、けっこう可愛いんだコレが。
見た目で言えば小さめでスタイルも良くて、顔も可愛くて社内でかなり人気がある。
女の子らしいタイプかと思えばちょっとズレてるし、なんだか見てて飽きないし……。
その鈴木がどうも望みが薄い片思いをしてるらしく、相談に乗ったんだが……
口を開けば「先輩はイケメンで自信があるから」とか「先輩には分からない」とか……
……なんか……そうだ。
この自信のなさというか、自己評価の低いところが……ユカを思い出すのかもしれない。
鈴木なら押せばイケるんじゃないかとも思うんだが。
……それに、コロコロ表情を変えて好きなヤツを想う姿を見ていたら……
俺もこんな風に純粋にユカを好きだった時があったのか、なんて。
……でも少なくとも俺は、素直に気持ちを伝えなかった事を後悔している。
だからこそ鈴木を応援したいのかもしれない。
俺と同じような後悔をしないように……。
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