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結局鈴木と付き合う事になったのは、それから1ヶ月半ぐらい経ってから。
「先輩からキスして?」
コイツ……蜂谷に告白するしないで迷ってた時はあんなに消極的だったクセに。
付き合った途端何だよこの甘え上手っつーか可愛さは……。
自分から腕を回してきて、唇を求める。
俺も溜まってた分激しくなって、合間に唇から漏れる吐息がエロくてゾクゾクする。
何度も角度を変えて求め合ううちにお互いの体が熱くなってくるのが分かる……このままだったら……。
「な、腹減ったから飯食いに行こうぜ」
「…………え?」
この間の仕返しという訳じゃないが、付き合った初日からガッつくのはあんまり好きじゃない。
これ以上は自分でも止められなくなるからセーブした。
でも結局、その後もタイミングが合わなかったり仕事が忙しかったり、トラブルに巻き込まれたりして。
俺達が初めてコトに及んだのは、付き合って一ヶ月経ってからの事だった。
「……えみか?何考えてる?」
「え…………」
俺の家に向かってる時からずっとどこか上の空で。
俺はその心を解くように丁寧にえみかを抱いた。
……多分、ユカ以来初めてちゃんと女を抱きたいと思った。
……なのに……
「…………っ」
「……なんで、泣くんだよ?」
何度イカせても、体が繋がっても、心が伝わる訳じゃなかった。
それを俺は……ユカと別れてだいぶ経った今も全然分かっていなかった。
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