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一回のセックスの後、俺はえみかにあっさりフラれた。
アサミを始め付き合った相手にはいつもフラれてきたが、ユカの後はフラれてもショックを受ける事もなかった。
それだけ好きでもなかったって事なんだが…。
でも、今回は……思った以上に、ショックだった……。
今までの女とは違う。
可愛がったし……いや、ちょっと意地悪はしたか……セックスもそれはもう丁寧に……。
なのになんで、という一言すら聞く事が出来ず……ただ離れて行くのを黙って見ていた。
そしてかなり凹んだ。
「先輩?なんか調子悪いっすね…」
「蜂谷……」
……なら……えみかから事情を聞いてるのか?
…でも、よりによってユカの今彼の蜂谷にえみかの相談なんて……。
「……なんでもない」
その後も俺は、山崎に誘われてるえみかを呼び止めるも何も言えなかったり……
気になって仕方ないのにどうしても聞けないまま……
何年もマトモな恋愛をして来なかったせいで、完全に拗らせてんのか……。
そしてそれを救ってくれたのは、意外にも……。
「ユカ?蜂谷とデートか?」
会社の駐車場でバッタリ会った。
「うん、まぁ……でもシュンに用事があって」
「俺に?」
「なんか……仕事でも珍しくミスしまくりでボロボロなんだって?」
「……蜂谷か」
アイツ……今度シメてやる。
「自分の時には言えなかったけど……この際ハッキリ言う!」
「え…?」
「シュン、追いかけなくて本当にいいの!?それを邪魔してるのは下らないプライドなんじゃないの!?…それじゃあたしの時と変わんないよ」
……驚いた。
でも……まるで憑き物が落ちたかのように肩が軽くなる自分がいて……笑えた。
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