Stand By Me

「あ……」

ユカの声に視線の先を見ると、蜂谷とえみか……？
えみかが蜂谷の胸に飛び込むのが見えた。

……アイツやっぱ今すぐシメるか。

思わず近付いて行くと、二人の話し声が聞こえてくる。

「もうやだ……好きって、苦しい……」
「そうだよ。好きって苦しいのが普通だろ。でもやめようとしてやめれるモンでもないだろ？」

……好き、って……。

「先輩、いつもクールに見えるけど……よく鈴木の事すげぇ優しい目で見てるよ。鈴木が気付いてない時に」
「うそ……」
「ホントだって。それに、鈴木と別れてから仕事もボロボロ…」

「おい、蜂谷」

今すぐ蜂谷をシメたい気持ちを抑えた。

……俺は結局、ユカの時から全く成長していない。

今回も自分の事しか考えずにえみかを傷付けていた。
えみかが俺を思って苦しんで泣いてるなんて、気付きもしないで……。

……今度こそ、ちゃんとやり直せるだろうか……。

えみかを連れて部屋に帰って、ちゃんと気持ちを伝えた。
結局また泣かせてしまったが……素直に気持ちを伝えるとこんなに愛しく思えるんだって、初めて知ったかもしれない。