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話をしてるうちに分かったこと。
ユカはあまり自分に自信がないタイプらしい。
もったいねーな……声もけっこうイイし、女ボーカルも合いそうなんだけどな……。
「ユカの声って、JAMとか合うんじゃないかと思うんだけど」
JAMはかなり高音の女性ボーカルバンドだが、ユカなら声が出せるはずだ。
俺がギターを弾いて、戸惑うユカを半ば強引に歌わせた。
……コレが、思った以上に……イイ!!
けっこう声伸びるし、高音も出てるじゃん!!
意外なんだけど、自分が歌ってる時よりも気持ちいいかも……コレはイケる!!
俺が他のメンバーにも推したて、Halloweensは学祭でJAMのコピーをやることになった。
自分で思った以上にユカの歌を気に入っていた俺は、内心ウキウキしていた……が、そこに思わぬ邪魔が入ることになる。
「PINKYと楽曲がカブった!?」
どうも、PINKYのリンは可愛くて人気があるが曲者らしい。
ここにきて女ボーカルを選曲したHalloweensを牽制するつもりなのか……。
それが狙い通りかどうか分からないが、Halloweensは曲の変更を検討していた。
「ハヤトボーカルでもやってみたいって話もしてたから、今回はそれで男の人ボーカルの曲にするのもいいかなって」
ユカの言葉に思わず語気を強めていた。
「そんなのもったいねえって!俺はユカの歌聴きたい!」
驚くユカを尻目に、俺はある事を考えていた。
どうにかリンに邪魔させずに、ユカに歌わせたい。
そういえばリンはよくうちのメンバーに絡みに来るし、俺らの事は敵に回したくない筈だ……。
……それに……。
「学祭ライブ、Red HotとHalloweens合同で出ねぇ?」
俺達Red Hotの提案にもちろんHalloweensメンバーは驚いてたが、最終的に話はまとまった。
正直なところは、Halloweensの為というより自分の欲求の為だったかもしれない。
Halloweensのメンバーと一緒にライブしてみたい…というより、ユカと一緒にライブで歌ってみたい。
ユカの歌を聴いて純粋にそう思った。
…しかも練習も一緒だから、毎日ユカの笑顔に癒されることも出来て……
イイ事づくしじゃねーか。
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