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「ユカ……いる?」
食堂で見つけたHalloweensのメンバーに問いかけた。
……あれから、電話は全く繋がらないし一度も会えてない。
ハヤトとサヤカは俺を睨み付けて、ヤエは心配そうに全員の顔を見比べている。
「……ちょっと話してくる」
ハヤトが立ち上がって、俺に付いてくるよう促した。
「……一体どういう事なんだよ?急にいなくなって、訳分かんねぇ……知ってるなら教えてくれ!」
「知らなくて当然だ。ユカはお前に気付かれないように、ずっとお前の前では笑ってたんだろ?」
「……何の話だ?」
「もうずっと前から……シュンと付き合ってる事で嫌がらせされてたんだよ」
突然頭を殴られたような気分だった。
「……そんな事、一言も……」
「お前には絶対言うなって、一人でずっと耐えてた……その上、リンとキスしてるとこ見たって?次はリンと付き合うのかよ?」
アレを見られてたのか……。
いや、きっとリンが仕組んだに違いない。
「それは絶対にない!!キスだって無理矢理されただけで……信じてくれ……」
「……俺に言ったってどうしようもねえだろ。とにかく、今は会わせられない。ユカが自分から会いたいって言うまでは……」
……最悪だ。
俺は呆然と佇むしか出来なかった。
それからの俺は、まるで抜け殻。
今までユカの存在に、笑顔にどれだけ支えられていたかを思い知った。
そして俺が今まで自分の事ばっかりで、ユカの気持ちなんて考えてもいなかった事を……。
アサミにフラれた時とは比べ物にならないショックだった……。
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