2人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女の瞳に映るもの
歓楽街脇の雑木林にたたずむA。
それを見つけるB。
A:「撮れたの。西脇さんが、
ラブホに入るところ」
B:「なんで、なんでそんなことするんだよ」
A:「なぜって、東野さんに頼まれたから」
B:「わかってるよ。それは。
俺が聞きたいのは、
なんで東野の言うことなんて
聞くのか、だよ。
おまえだってわかるだろ?
そんな写真撮れば、
西脇から恨まれるのは、お前なんだぞ?」
A:「私の写真が、必要とされている。
だから、撮る。それだけよ」
B:「東野言ってたぞ?
お前が写真撮ったら、
それを引き延ばして学校中にばらまくって。
そうすれば、西脇が援助交際してること、
みんなにバラせるって」
A:「そう」
B「『そう』じゃねーよ!
なんで自分から
いざこざに巻き込まれに行くんだよ。
女子の派閥とか、もめごととか、
お前苦手だっただろ?」
A:「ばらまいてもらえるのね。私の写真。
……皆に、見てもらえる」
ほほ笑むA。眉をしかめるBに、Aはデジカメの画面を見せる。
最初のコメントを投稿しよう!