彼女の瞳に映るもの

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彼女の瞳に映るもの

歓楽街脇の雑木林にたたずむA。 それを見つけるB。 A:「撮れたの。西脇さんが、    ラブホに入るところ」 B:「なんで、なんでそんなことするんだよ」 A:「なぜって、東野さんに頼まれたから」 B:「わかってるよ。それは。   俺が聞きたいのは、   なんで東野の言うことなんて   聞くのか、だよ。   おまえだってわかるだろ?   そんな写真撮れば、   西脇から恨まれるのは、お前なんだぞ?」 A:「私の写真が、必要とされている。    だから、撮る。それだけよ」 B:「東野言ってたぞ?   お前が写真撮ったら、   それを引き延ばして学校中にばらまくって。   そうすれば、西脇が援助交際してること、   みんなにバラせるって」 A:「そう」 B「『そう』じゃねーよ!   なんで自分から   いざこざに巻き込まれに行くんだよ。   女子の派閥とか、もめごととか、   お前苦手だっただろ?」 A:「ばらまいてもらえるのね。私の写真。    ……皆に、見てもらえる」 ほほ笑むA。眉をしかめるBに、Aはデジカメの画面を見せる。
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