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映真
内田工業高校は、日本国内でも有名な伝統ある工業高校で、毎年超一流と謳われる企業に優秀な技術者を輩出している。私立であるこの学校は、高い技術力と幅広い教養を習得すべく、独自のカリキュラムを設けている。研究費も大学並み、もしくはそれ以上で、どんな研究であっても生徒が希望した研究であれば、惜しむことなく出資する。そのため、たった高校3年の間に特許を取り、起業をする人も少なくない。
中谷美和は、そんな場所で学び、立派な技術者になろうと夢見た者の一人だった。
しかし、いざ入ってみると、入学する前に受けていた印象と異なった印象を受けてしまう、というのはこの世の中、よくある話であり、高校2年となった今、ひしひしと感じさせられていた。
今日一日の実習が終わり、制服に着替えて教室へと向かった。
「鷲見、お前、ホワイトハッカー志望だよな?」
「あぁ、そうだよ」
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