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予感
日曜日の早朝だったが、眠る美夕を起こさぬようそっと起きた楊は出掛ける支度を始めていた。
楊の温もりがベッドの中から無くなった事に気付き、美夕は目を覚ます。
部屋の中にブルーのパーカーを着る楊の姿を見、一旦は安心した美夕だったが、出掛ける支度をしている姿に少し寂しげに聞いた。
「楊君、出掛けちゃうの?」
「おはよう、美夕。ごめんな、ちょっと大学に行ってくる。昨日、途中だった実験を後輩に押し付けて研究室飛び出したから、その後処理に行かなきゃいけないんだ」
美夕は「あ」と声を漏らし、すまなそうな顔をした。
「ごめんなさい。わたしのせいで、楊君」
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