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幾日か経ったある日。
私は気づいたの。何がって? あの子のことよ。
あの子が普段何を考えて行動しているのか。
あの子、何にも考えていないんだわ。頭スッカラカンよ。
なんでそう思ったかって?
まず、あの子は飼い主様にすり寄って、私のことを馬鹿にしていると思っていたの。
だけど、違ったわ。あの子、ただ温かいものにくっつきたいだけだわ。
飼い主様のお膝でゴロゴロしていると思ったら、
気づいたら私の上に乗っかってゴロゴロしている。
……あれは割と苦しいからやめてほしいのだわ。
あとは……。あの子は所構わず、自分のテリトリーを持たず色んなところで寝るの。
この間なんかトイレで寝てたわ。……私、用を足したかったのだけれど。
トイレの臭いがこびり付いたまま私にすり寄ってきたときは全力で逃げたわ……。
臭いで思い出したけれど。あの子、すぐに色んな臭いをかごうとするのね。
飼い主様の足の裏とか。わ……私のおしりとか。
嗅いだ後、口を半開きにしてアンニュイな表情をするのだけれど。
よく分からないけど、イラっとするからやめてほしいわね。
まあ、というわけで。
あの子に対する嫉妬の気持ちとか複雑な感情とか、考えるだけ馬鹿らしくなってしまったのよ。
なので、今日はあの子と初めて会話をしようと思うの。
……ええそうよ、話すの初めてよ。
色々あったけど、まだ話したことないのよ。
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