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「うぅ……、痛かった」
地獄の時間は終わり、我が家へ帰ってきた。
私は籠から飛び出る。
先ほどまでの出来事を思い出し、身震いする。
謎の人間たちに体を押さえつけられ、
ミ~ヤちゃ~ん、痛くないよ~痛くないよ~と言われながら
お尻に針を刺される。
いやいや、死ぬほど痛いけど!? 何を根拠に痛くないとほざいていやがるの!?
……あらやだ、私としたことが汚い言葉を。
それにしても、サクラは大丈夫かしら。
連れていかれる時はサクラと一緒だったのに、帰りは私だけだった。
一体どうしたのかしら。
あと気になるのは、飼い主様が妙に落ち込んでいることかしら。
う~ん、私へのこの仕打ちを反省してくれているのかしらね?
よく分からないわ。
数日後、サクラが帰ってきた。
「どうしたの? 何かあったの?」
と私は尋ねた。
サクラはいつも通りのぽわぽわした感じで、よく分かんないや、と返した。
それならいいのだけれど、と私は返し、その日はそれでお終い。
少しだけ体が痩せていたのを、私は気のせいだと思っていた。
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