4人が本棚に入れています
本棚に追加
「それよか」って何だ,「それよか」って。
「ほぇっ?なんで知ってるの??」
「おフクロに聞いた」
「おかーさぁん…」
唯はボヤいた。いくら家族でも,この人にだけは言ってほしくなかったよぉ。
ところが兄は,からかうどころか真顔でこう言った。
「お前さぁ,三次元で恋愛なんかできんの?」
「へっ?なんでよ?」
「現実のオトコっつーのは,野獣とおんなじだ。本能むき出しで来るかんな」
そう言うと,俊也はあまりボリュームのない唯のおムネを見た。
「…まぁ,お前にゃそんな心配はねえか」
「ちょっとぉ!どこ見て言っとるんじゃい!」
唯は吠えた。兄の言う「本能」のイミするところは,同人誌その他で分かってるっつーの。
「お兄ちゃん,それセクハラ」
「はいはい。まぁ,食われねーように気をつけな。オヤスミ」
ふくれっ面をした唯の髪を(この時は下ろしていた)ワシャワシャやって,兄は自分の部屋に戻って言った。
確かにわたし,色気はないけどさ。フンッ!
「あっ!お風呂おフロ」
唯は着替えを用意して,バスルームに向かった。
最初のコメントを投稿しよう!