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里歩は唯の顔を覗きこむと,両手を合わせて頼み込む。
「唯ちゃん!今のハナシ,絢乃には内緒にして!バレたらあたし,絶交されちゃうからっ」
「りょっ,了解でありますっ」
里歩の気迫に押され気味ながら,唯は電波的にお返事した。
それを見て,里歩はまた笑う。
「いいなぁ,大人の彼氏。…ねぇねぇ里歩タン。里歩タンには彼氏いるの?」
「いるよ。二つ年上の彼氏。付き合って一年ちょっと」
答えてから,里歩はちょっと意外そうな顔をした。
腐女子として名を馳せている(?)唯と,恋バナをしているなんて。
「もしかして唯ちゃん,好きな人できた?」
「なっ,なんで分かるの?」
唯はハゲシク動揺した。この人スルドい!
それを「肯定」と受け取った里歩は,お弁当を食べる箸を止めて言った。
「バレバレだよ。顔に出てるし。しかも,何か悩んでるね」
そこまでバレてたのか。この人,やっぱしスルドい。
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