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唯は,谷口浩介の「押しかけ女房」ならぬ「押しかけ彼女」になったこと,連絡先を交換して数日経ったのに,彼から未だに連絡が来ないことを里歩に話した。
「その人ね,『ドラゴン・アタッカー』のユースケ君にそっくりなんだよ。…里歩タンは知ってる?このアニメ」
「あー,知ってる知ってる。コレでもあたし,バレー部のキャプテンだからね」
…いかん,ハナシが脱線しかかってる。「で?」と里歩は話の筋を戻した。
「唯ちゃんは,その人のどんなところが好きなの?」
「うーんと,顔もユースケ君に似てるし,名前も『浩介』で一字違いだし。それでなんか,ビビビっと来て」
「はぁ。けどまあ,分からなくもないかな。あたしん時も似たようなもんだったし」
唯は確かに電波ちゃんだ。けれど今,初めての恋に悩んでいるのも確かだろう。
「んで,連絡来ないなら,わたしの方から連絡した方がいいかなぁ,って思ってるんだけど。里歩タンはどう思う?」
「うーん,どうかなぁ。もうちょっとだけ待ってみたら?恋は,待つってことも大事だよ」
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