腐女子でも,恋していいですか?

3/6
前へ
/26ページ
次へ
兄からスマホを受け取り,唯も着信とメールをチェックする。 うわ…,全部浩介クンからじゃん。 しかも,さっき鳴っていた着信音も止んでいたので,電話着信が一件増えていた。 と…。 プルルル…♪まただ。 「あーもー,しつこいっ!」 唯は通話ボタンではなく,拒否ボタンをタップした。 「おまっ,何してんだよ!?出ねぇのかよ?」 「拒否った」 唯は怒っているようでもあり,何だか悲しそうでもある。 妹の様子がおかしいことに気づいた俊也は,思いついたことを訊いてみた 地雷パート2になるかもしれないけれど,恐る恐る。 「彼氏とケンカでもしたのか?」 その途端,唯は大きな声で泣き出した。 「お兄ちゃん…,唯はどうしたらいいか分かんないよ…っ!浩介クンのこと…,キライになりたくないのに…っ。腹が立って仕方ないんだよ~っ」 「わっ,分かったから!とりあえず泣くのやめろ,なっ?」 俊也がBOXティッシュを渡すと,唯は五枚ほど引っ張り出して鼻をズビズビかんでから言った。 「…ありがと。あのね,わたし,浩介クンと別れようかと思って。これ以上,迷惑かけたくないから」 唯の言葉を聞いて,兄は笑った。「バーカ!」と,妹の頭をポンと叩く。 「お前,自覚ないのな。一人のオトコのために泣いたり腹立てたり。それってさぁ,そいつのこと本気で好きな証拠じゃん」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加