その人は突然に。

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唯は今日出会ったばかりの,「ユースケ君」にそっくりな大学生・浩介と二人で,駅ビルの『ドトールコーヒー』に入った。 セルフ式のカフェのカウンターで,それぞれ飲み物を注文する。 唯はレモンティーのMサイズ,浩介はカフェラテのSサイズ。 「唯ちゃん,スイーツは?」 奇特な人だ。飲み物だけじゃなくて,スイーツまでおごってくれるなんて! 「えーっと,ミルクレープにします」 「じゃあ,オレはロールケーキ」 浩介がレジで支払いを済ませている間に,唯は二人分の席を確保しておく。 注文したものが載ったトレーを手にしている彼の姿を見つけて,唯は窓際の席で手を振った。 「ユースケく…じゃなかった。浩介さーん,こっちこっち☆席取っときましたよー」 「頼むから,大声で呼ぶのやめて。ハズいから」 唯の大声のせいで周りの注目を浴びてしまい,席に就いた浩介は苦笑い。 「しぃましぇん…」 しおらしく言った唯は,心の中で思っていた。 …ゴメンね,ユースケ君。浮気者の唯を許して!
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