その人は突然に。

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そういえば,肝心なことを訊き忘れてた。 顔をズイッと浩介に近付けて,唯は訊く。 「ときに浩介さん。今彼女さんはいらっしゃるのでござりますか?」 「今はいないよ」 電波系な唯の話し方にすっかり慣れたようで,浩介はすんなり答えた。 そして,声を上げて笑い出す。 「いやー,君との出会いはぜってー忘れられねえわ,オレ。めちゃめちゃインパクト強えーもん」 …へっ?何がおかしいの?ここ,笑うとこっすか?? 今度は,唯の方が「鳩に豆でっぽ」だ。 「いいよ唯ちゃん。オレ,君の王子さまになってあげるよ」 「ほぇっ?いいんですか?」 ユースケ君,この人はホントに王子さまです。名前が同じ「雄介」だったらもっとよかったな…。 「じゃあ,連絡先交換しよっか」 唯と浩介は,スマホでお互いの連絡先を赤外線送信した。
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