24、決着

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 何を言うかも決めないままに呼びかけた声に、相原は顔を向けた。  その目は沙和に何も訴えてはこない。色のない視線に何か重ねて声をかけたくなって、けれど何も言えなくて。  そんな沙和の気持ちが伝わったのか、相原はかすかに口の端をあげると「荷物は後日送る」と言い置いて立ち上がった。
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