2、島谷壮太

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 沙和と壮太の関係は、説明するのが少々難しい。  実家が近所で、親同士が友人関係。幼稚園から一緒の腐れ縁。高校と大学は別々のところへ進学したが細々と連絡は取り合って、一年に一回ほど近況報告も兼ねて会うような関係が続いていた。  ただ、数年前に沙和が一人暮らしを始めてから、壮太が沙和の部屋に押しかけてくるようになった。  恋人ではない。  とは言え、気まぐれでセックスはするので、友人とも言い難い。  セフレと言うには近く、気のおけない友人のような、親友のような、不思議な関係だった。 「あー本当に、惜しいことした……」  シャワーで体も頭もスッキリして出てくると、壮太が気をきかせてホットミルクを作ってくれていた。一応彼なりに沙和を気遣っているようで、はちみつ入りのそれはとても甘く美味しい。  ソファに腰掛けホットミルクをおとなしくすする沙和の肩を、壮太はそっと抱き寄せる。 「……おさわり禁止」 「いいじゃん、これくらい」  壮太は笑いながら、ぎゅうと力をこめてくる。 「なんで急に相原が来るなんて話になったの?」 「ゲームの話してたら、見たいって言われて……」 「……何その下手な誘い文句」 「下心はないって言ってた」 「どうだか」 「えー、そうかな? 男目線だとそんな感じなの? じゃあ、やっぱり惜しいことした……」  連絡くれるかなぁと息をつく沙和に、壮太は「何その乙女発言。似合わなすぎ」と吹き出した。なんて失礼な! と沙和が抗議しようと顔を向けたところを狙って、壮太が唇を合わせてくる。  衝撃で、ミルクが少しだけこぼれた。 「んっ……ちょ……」  壮太は沙和の手からマグカップをとってローテーブルに置くと、両手で沙和の頬を挟み込んだ。 「じゃあ今日は俺を相原の代わりにするなんてどう?」  言いながら深い口づけを仕掛けて来る壮太に、沙和は胸を押して離れようとした。が、壮太はおかまいなしに唇の中に舌をつっこんでくる。咥内をかきまわされて、上ずった声をあげながらも、沙和は壮太の胸を叩いた。 「だっ……だめっ」 「えー、なんで? 今日はお互い人肌恋しい身だし、良くない?」
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