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「えっ、付き合うことになった?!」
「うん」
「彼氏にフラれたくせにその日の内に違う男と?」
「うん」
「しかもそれがSOULAGERのイケメン店長だって?!」
「うん」
「信じらんない! ……いや、美兎ならあり得るかも知れないけど……」
「初めてなんだよ」
「は?」
「私から告白して付き合ってもらうの、初めてなの」
「美兎から告ったの?」
「うん」
「うっそ」
「本当」
店長さんと付き合うことになった翌日、私は友だちの芳香が勤めるデパートに買い物がてら来ていた。
そのついでに芳香が担当している化粧品売り場に赴き昨日あったことを簡単に話した。
「それって、ちゃんと美兎が30歳だって言った? 見かけは女子高生みたいだけど実年齢は30だって」
「まだ29だよ。誕生日来ていないから」
「大差ないでしょう、29も30も!」
「あ、芳香、前と言っていることが違う。芳香だって30になる前は『20代と30代は全然違うんだからね』って怒っていたくせに」
「それはそれ、これはこれ!」
「何、それ」
似た者同士の私たちは一旦話が始まるといつの間にかエスカレートしてしまい、すぐに他のスタッフの人に注意されてしまった。
仕事が終わってから話の続きをするべく約束を取り付けながら芳香は仕事に戻って行った。
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