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「美兎ちゃん?!」
顔を歪ませた私を見て彼は慌てた。
「悠真くん……そんな風に思っていたんだ」
「そう……だけど、勿論美兎ちゃんの気持ちもあるからどうしても欲しいってわけじゃ──」
「違うの、嬉しいの!」
「──え」
彼の間近に寄り両肩に掌を乗せた。
「悠真くんが私と同じ気持ちでよかった」
「……」
「私だって悠真くんとの子ども、欲しいよ。生める限り生みたいと思っている」
「美兎ちゃん……」
「生んであげる。沢山、悠真くんとの子ども。だから頑張ろうね!」
「──っ」
私の言葉に彼は破顔した。
「? 悠真くん」
「いや……面と向かって子作りのお強請りされるとちょっと照れるね」
「は? ……い、いや、違うよ?!」
「え」
「頑張ろうねっていうのはその、子どもが出来たら私、しばらく働けなくなるからその分生活が大変になるからそういうの見越して貯金とか……主に金銭面での頑張りであって──」
「あー……あぁ、そっちか」
「もう、そうだよ! ……そもそも子作りなんて頑張らなくても私たち……」
皆までいうのが恥ずかしくて最後の方は小さな声になってしまったけれど、私の言いたいことを察してくれた彼はにっこりとほほ笑んだ。
「そうだね、敢えて頑張らなくても俺たちは大丈夫だよね」
「っ」
そんなことを言いながら私の胸をやわやわと揉む。
「はぁー愉しみだなぁ~~~子ども」
「ちょ、ちょっと悠真くんっ」
「男でも女でも可愛いよね、俺たちの子どもなら」
「もう、出来る前から親馬鹿」
「だって本当のことでしょ」
「……」
彼が嬉しそうに未来の話をする。それをこんな間近で訊けることがとっても幸せで……
(ヤバい、また涙腺緩む!)
思わず泣きそうになる気持ちを堪え、そのまま彼から与えられる快楽に没頭したのだった。
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