Episode11 SOULAGER

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「何?」 「明登はどう思う?」 「どう思うって、別に俺に訊かれていることじゃないから何も思わないけど」 「それってわたしの好きにしたらいいってこと?」 「そんなの当たり前でしょ。芳香の人生は芳香のものだし」 「……」 「芳香がやりたいならそれを俺は出来る範囲でサポートするだけ」 芳香と明登くんのやり取りを私は静かに見守っていた。 やがて芳香は明登くんから私へと視線を移した。 「いいね、それ」 「え」 「そういうこと、全然考えたことなかったけどそれ、いいかも」 「っていうことは」 「うん。わたしも美兎と一緒に勉強するよ」 「芳香!」 にっこり笑った芳香の言葉につられて私も笑顔になった。 「だけど勉強かぁ……大丈夫かな、わたし」 不意に芳香が不安そうな声を出した。 「それは私も同じ気持ちだよ。でもやってみなくちゃ分からないでしょう?」 「まぁ、確かにそうだよね」 「ふたりで頑張ろうよ」 「うん」 慣れない勉強に対する不安な気持ちがあった私は、芳香という同志を得たことでそれらが少しだけ緩和したのだった。 「そういうことなら保育ルームが出来た暁には俺の会社からも何人か人材を派遣するよ」 そういった明登くんに芳香が「頼りにしているわよ」なんて言いながら背中をバンバン叩いていた。
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