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「泣かないで、結良。ちゃんと解ってくれたらパパは泣かないし嬉しいよ」
「う゛、うぅぅ~~~」
「だからほら、ママに何か言うことがあるだろう?」
そう促すと娘は美兎ちゃんの方へよたよたと寄って行った。
「マ、ママぁぁぁ、ごめんなさぁいぃぃぃ」
「……結良」
娘の涙ながらの謝罪に美兎ちゃんも薄っすら涙ぐみながら「もういいよ。大丈夫だから」と言いながら頭や背中を擦っていた。
そんな様子を息子と見ていると「……パパ、さいきょう」そうボソッと呟かれた息子の言葉に思わず吹き出しそうになった。
少し落ち着いた子どもたちが店内の隅に置かれているマガジンラックから絵本を取り出して読んでいる間に残っていた雑務をこなした。
「悠真くん、手伝うよ」
「いや、もう終わるから座っていて」
カウンターを挟んで言ってくれた美兎ちゃんにそう答えて椅子に座るように促した。
「そう?」なんて言いながら大人しく座ってくれてホッと安心した。
(少し前まではそう言っても手伝っていたからな)
お腹が重くなって来て流石に気を遣うようになったらしい。
三度目の妊娠だからといって無理していいはずはないから美兎ちゃん以上に色々と気を使う。
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