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「そういえば今日芳香さんは休みなの?」
「あ、うん。真翔くんが朝から熱っぽいからって連絡あったから休んでもらったの」
「そうだったんだ。大丈夫かな」
「先刻メールがあって昼前には平熱まで下がったらしいよ。食欲もあるし元気だって」
「そっか。よかった」
美兎ちゃんと一緒に保育士として働いている芳香さんにも4歳の男の子がいた。
美兎ちゃんと芳香さんの他にも常駐の保育士さんがふたりいるのでどちらかが休んでもフォロー出来るようになっていた。
保育ルームでは小学校入学までの子どもをメインに預かっている。保育システムには色々なコースがあって、その家庭の都合に合わせて預かる時間、料金設定をしていた。
それプラスカフェのお客さんの子どもを無料で短時間預かる。
軌道に乗るまでは色々大変だったが、ようやく安定した経営状態を保って来たようだ。
「美兎ちゃんも無理したらダメだよ。少しでも辛かったら俺や芳香さんにいうこと」
「はいはい、分かっています」
「本当かな」
「悠真くん、心配し過ぎ。大丈夫だから」
「……」
俺は同じようなことをもう何度も美兎ちゃんに言って訊かせている。何度も言わないと美兎ちゃんは無意識に無理をしてしまうところがあるからだ。
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