Episode02 悠真くんと美兎ちゃん

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今日はビールジョッキ3杯にワイン2本、ウィスキーロックを3杯しか飲んでいない。少しほんのりと酔っているけれど芳香に比べれば全然飲んでいない方だ。 「そっか……そういうギャップもある訳だね」 「ん?」 「お酒が弱そうに見える君を酔わせてそのままホテルに連れ込もうという算段があった男がいたかも知れない」 「……」 「だけど意外とお酒に強かった君についていけなくなって男の方が先に自滅しちゃったってこと、なかった?」 「……」 「なんで知っているのって顔しているね。よくある手段だから分かるよ」 「凄いね、悠真くん」 「まぁ伊達に多くの女の子と付き合って来た訳じゃないので」 「悠真くんもそういう風に女の子を口説いたことがあるの?」 「俺? 俺はないよ。その反対ならあるけど」 「反対?」 「彼女がわざと酔ったフリしてホテルに誘うパターン」 「……」 それを訊いた瞬間、胸の奥がズキンと痛んだ。 『彼女がわざと酔ったフリしてホテルに誘うパターン』 それを言った彼を少し遠くに感じてしまった。 (いやいや、あるでしょう、普通にそういうこと) 自分に置き替えて考えても分かることだ。今までに彼がどれくらい女の子と付き合って来たか正確な人数は知らないけれど、きっと色んな経験をいっぱいして来たのだろうと安易に想像出来てしまう。 (あぁ……なんかモヤモヤしている)
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