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Episode03 あざとい駆け引き
カチャンという音と共に開く重い扉の先は真っ暗闇。
「……はぁ」
深く息を吐いてしばらくその場で佇んだ後、手元のスイッチを押す。途端に淡い光に包まれる部屋をぼんやりと眺めた。
のっそりと部屋に上がり持っていた荷物を放りそのままベッドに倒れ込んだ。
「あぁ……疲れたぁ」
漏れた声は少し掠れていた。しばらく虚空を眺めていると遠くから微かな着信音が聞こえた。
鞄に入れている携帯からのものだと気が付いたがすぐ手に取ろうとは思わずまたしばらくぼんやりと宙を仰ぐ。その間にも何度か聞こえる着信音。
「……眠」
徐々にウトウトして来てこのままじゃ寝落ちする思い、ようやくベッドから起き上がった。
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