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どうしてあの時、俺は三人にあんな態度をとってしまったのだろう。
どうしてあんなにムカついてしまったのだろう。
どうして……。
「追いかけることができなかったんだ」
あれから鬼塚とは話していない。
当たり前だ、俺が避けているのだから。
こんなにもどうしたらいいのか分からなくなる事なんて、今まで無かった。
そもそもこんな風に誰かと喧嘩?いや、ギスギスしたことすら無いのだから、特定の誰かのとこで悩んだり、不安になったりなんてしたことが無かった。言うなら鬼塚が初めてだ。
「恋愛というのは、こんなにも心が痛くなるものなのか?」
っていやいや。これは鬼塚を攻略するためだけであって、俺がこんなに心痛む必要はないじゃないか?
だって、それじゃまるでーー。
「あ、鬼塚」
思わず声の主が向けていた視線の方へ首を向けてしまった。
どんだけ鬼塚に敏感になってるんだ俺は。
「そういえば聞いたか?今日あの三年の不良達が、鬼塚を呼び出したらしいぞ」
「マジか」
「しかも今回は他校も呼んで、人数増やしていくらしい」
上級生……。多分そいつらは、俺が告白した日に鬼塚にボコボコにされていた人達だろう。
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