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あれからもう数か月が経っているというのに、まだ根に持っていたのか。女々しい奴等だ。
「流石の鬼塚も、今回ばかりはヤバいんじゃねぇ?」
「ま、俺達には関係ない話だけどな!」
男子生徒の話が気になって仕方ない。
鬼塚でもヤバい。それぐらい人を集めるのか?それとも他校に喧嘩が強い奴でもいるのだろうか。
今となっては、俺もきっとその『関係のない』側の人間。だから気にする必要なんてない。
鬼塚が勝とうが負けろうが……どっちだって……。
「うぅう!!」
駄目だ。気にするな。
これ以上自分の首を絞めるわけにはいかない。
大体鬼塚はただの暇つぶし。俺に惚れる様子もないし、もうこのままゲームを諦めて終了してしまえばいい。
というか成功したところで、アイツと付き合うなんて無理な話しだったし。
「じゃあなんで俺は」
こんなにも不安で、悔しくて、鬼塚のあのなにもかもを諦めてしまったような目が忘れられないんだ。
それに俺は、この人生がつまらなかったから鬼塚に近づいた。
それならこのまま、また元の人生に戻るより。鬼塚とバカやって、今までとは違う非日常を過ごすのもいいんじゃないのか?
「成程。そっちの方が楽しそうだ」
そういうことなら、恋愛ゲーム再開だ。
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