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相手はざっと見て十五人くらい。その中にはやはり、あの時鬼塚にやられた上級生も入っていた。
「クソッ」
ここで俺が介入すれば、今までの完璧な俺は壊れるだろう。
それどころか、もしかすると鬼塚ももう俺とは関わってくれなくなるかもしれない。
「でも!!それでも俺は!!」
覚悟を決め。俺は近くに居た男を殴った。
どうやらバットや鉄パイプを持っている奴も何人かいるようで、俺に気が付いた隣の男が俺を殴ろうと振り下ろして来るが。運動神経も抜群の俺にとっては、その程度の速さ避け切れないわけがない。
そのまま後ろへ下がり、俺ではなく地面を激しく叩きつけてしまった男は一瞬ひるむ。その隙を狙い、男の顎を足のつま先で力強く蹴り上げた。
「流石俺、。喧嘩も出来ちゃうんだな」
「なんだテメェは!!」
男達の標的が、鬼塚から俺へと変わった。
「俺は、鬼塚の友達だよ」
「神上、勇人……」
俺がいたことに気が付いた鬼塚は「なんで」と言わんばかりに俺を凝視している。
「本当に……なんでだろうな?けど、後悔はしてないから!」
男達が一気に俺に向かって来た。
けど、全員動きが鈍い。
黒帯の空手部柔道部に比べたら、大した強さじゃない。
俺は次々に男達の攻撃をかわしては、蹴りを入れ。投げ飛ばした。
そんな俺を、呆然と見ていた鬼塚。
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