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ああ。また、お母さんが落ち込む。
お父さんも機嫌が悪くなる。
葉山のおじいちゃんとおばあちゃんは、お母さんにいつも以上の文句を言うんだ。お父さんも自分の親なんだから、お母さんを責めるなって、怒ればいいのに。
福井のおじいちゃんとおばあちゃんはそんなことないからいいけど。でも、理恵子と私の接し方が違うのには、正直へこむ。だって、私には、まるで腫物にでも触るみたいなんだもの。
私は、また顔を上に向けて、空を見上げる。
秋田君がこの前、私に聞いた。
どうして、見えもしないのに空を見上げるの、って。秋田君は薄っすら見えるから、私の様子も分かるみたい。
あのね、違うの。
本当はね、見上げてるんじゃない。にらみつけてるの。
だって、神様って、空に居るんでしょ。だから、にらみつけて、心の中で文句を言ってるんだ。こんな風に。
ねぇ、神様。どうして、私、こんな目にあってるの? 目が見えなくて、心臓もよくなくて、耳は、……補聴器があるから、何とかなってるけど、ってね。
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