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ねぇ、神様。
私、アナタの事なんて、大きらい。
だって、よくお母さんが周りの人にこう言われるんだもん。
『アナタのところにこの子が来たのは、神様がアナタ選んだからだよ』
違うよ、何言ってるの? 麻疹に掛かったからだよ。しかもかからなければ、こんな事にはならなかったの。
『障碍を持った子はね、強い人のところに産まれてくるんだって』
違うよ、いい加減なこと言わないで。お母さんは、とっても弱いよ。いっつも泣いてる。でもね、外に出る時は、どんなにつらくても笑ってるの。私の前でも、笑ってる。
だって、そうでもしないとやってけないから、って疲れた顔でそういうの。
あのね、お母さんはね、強くならざるを得なかったんだよ。
何も知らない人が、何も知らないくせに、高見から無責任な事、言わないで。
神様、アンタもあんただよ。こんなバカげたことをあんな人達に言わせないで。あんたが、こういう偉そうなことを言う人に罰を与えないから、私も、お母さんまでも、こんな目に合うんだよ。
ふー、っと。大きく深呼吸してから、私はしっかりと前を向く。
これから当分、憂鬱な日が続くけど、私も笑っていよう。お母さんみたいに。流行は始まったばかりなんだから、今からへこたれててもしょうがない。
だけど、時々は空を見上げて、悪態をついてやる。
そうでもしないと、やっていけないから。
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