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「許可できない。と言えば、お前はどうする?」
「柱に囓りついても残ります」
「くくっ、根性だね」
「それだけ、惚れた相手がいます」
ボリスをこの国で待ちたい。だから、この国にいたい。
勿論勉強もする。この国の事や、国の運営については勉強しておきたい。文化にも興味があるし、できれば服飾も学びたい。これには興味がある。クシュナートは服飾や織物で成り立っている。新たなヒントがあれば持ち帰りたい。
カールは楽しそうに笑う。そしてその後、真面目な顔でいった。
「身の保証はできない。あと、こちらの指示には従ってもらう。これが条件」
「指示というのは、具体的には?」
「王都が危ない時には、疎開してもらう。それでも、帝国内で愛しい騎士を待てるよ」
「! あの、いいのですか!」
「アルヌールから、心底惚れてて言う事聞かないから、できれば頼むと言われてしまったしね。それに、私もこんなにフェオドールが真剣なの、見た事がないしね」
クスクスと笑うカールに、フェオドールは目を輝かせて思いきり頭を下げた。
「ありがとございます!」
「そのかわり、危なくなったら疎開させる。どうしてもまずそうな時は、国に帰す。いい?」
「……分かりました」
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