神の告白(ラダ)

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 何度かこうして、アルブレヒトに降りてきた神と対話をした。決して長くはなかった。けれど、纏う空気は神々しくて苦しくなる。 「娘、このままではこの子の命は尽きます」 「!」  神の声に、声が出ない。ただただ涙が出て、どうしようもなかった。 「この子の魂は、私の最初の子。不死の神と、人間の間に立つとても不安定な魂。だからこそ、この子の魂は死しても帰る場所を持てない」 「……それは、どういうことでしょうか?」 「この子は今世を真っ当したら、消えてしまうかもしれないのです」  ゾクリと、背を冷たい物が流れた。死ぬ事はとても悲しい。けれどその魂まで消えてしまうかもしれないのは、悲しいを通り越して恐怖だ。  神は静かに瞳を閉じる。それはどこか人のような親しみがあり、苦悩しているようだった。 「人の魂はこの長い世界の中で、何百、何千と転生を繰り返しています。けれどこの子の魂は、ただの三度。最初のアム、そしてユーミル。アルブレヒトとなるまでには、途方もない時間がかかっています。次は、もう……」  もう、ない。そう言われているようだ。 「どうして……」     
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