近況(フェオドール)

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 思わず素の声が出てしまった。その位には衝撃的だった。  視線が集まり、赤くなって小さくなってしまう。だが、誰も咎めはなかった。 「まぁ、その位には衝撃的だよね。この辺じゃ奴隷取引は違法って国が多いから」 「だが、これは本当だ。ジェームダルも表だった取引はしていない。だが、国が率先しての事だからな。潰しようがない」  そこまで腐っていたのか。思うと、怖くなる。そんな国がもし、自国に侵攻してきたら。 「それを逆手に取るつもりじゃ。女装に堪えない者は御者や奴隷商人、護衛に扮し、女装に違和感のない者は良いドレスを着て攫われた子女にでもなるのだろう。貴族の娘という出で立ちならば多少多くの護衛がついても商品価値に見合うだろうし、教会の荷に悪戯をする門番もない。非公式な取引商品だからな、詮索もさほどされまい」  シウスの言う事には説得力がある。確かに、最善の策に思えるのだが……。  ボリスは、どっちなのだろう?  ふと思い、女装はないだろうなと思い込む事にしたフェオドールだった。 「それで行くと、ランバートとラウルはきっと女装組だよねー」 「「!」」  シウスとファウストの肩が揺れる。それをニマニマと、オスカルが見ていた。 「見たかったんじゃない、お二人さん?」 「……別に」     
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