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そう言うファウストは、だが耳は多少赤い気がする。
「本当に?」
「させたかったら帰ってからいくらでもさせられる」
「うわ、問題発言……。そしてシウス、顔真っ赤」
「べっ、別に何でもない! 見たいなんて、そんな事……ある……」
「こっちは素直だったね」
ニヤリと笑うオスカルと、他の団長の反応から、何となく察した。
「フェオドール、驚いてるみたいだから言うけれど、ファウストの恋人がランバートで、シウスの妻がラウルだよ」
「……妻?」
「騎士団入ってると同性の婚姻が認められるんだよ」
「何それ!!」
騎士団に入れて貰う事はできないだろうか。今から鍛えて……ダメかな? なんなら帰依してもいいのに。
ちょっと悩ましいフェオドールだった。
「まぁ、何にしても皆息災か」
「それは勿論です」
「それなら安心だ。他に、気になる話はあるか?」
「……確信のある話ではないのですが。どうやら宰相はラン・カレイユ攻略に尽力した将軍と部隊を国に帰したそうです。代わりに、いかにもゲスなのが国に溢れてやりたい放題で困ると聞いています」
「いよいよ、始まるかえ」
シウスが目を閉じ、疲れたように息を吐く。
まさにその時、廊下から慌ただしい足音がして前触れなくドアが開いた。
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