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「あ、あの助けてくれて有り難うございました。」
「別にあなたを助けた訳ではありません。大声だと迷惑だからです。」
(…うっ。そりゃそうだけどそんな言い方しなくても良いじゃん…。)
まあ、ごもっともだけど。
その時、隙間からキャンバスに描かれている空の絵が見えた。
「あ!ねえ!それ先生が描いたの!?」
思わず興奮しあたしは栗原に聞いた。
だってあまりにも綺麗な絵だったから。
「!!」
その時、栗原が驚いている目がメガネから見えた。
「…違います。」
ちょっと間を空け、栗原が口を開いた。
(あ、図星だ、これ。)
ごまかしている様だけどバレバレだ。
「先生って嘘下手だよねー。」
「なっ!?」
「顔、真っ赤だよ?」
その時、栗原が慌てた様子を見せた。
「嘘だってー。」
「なっ!?」
「ははは!先生おもしろー!」
「…まったく君は…。大人をからかうな。」
そう言って、ちょっと顔が怒っていた。
でもどちらというと、本気で怒っているようには見えなかった。
素の栗原が見れた気がした。
「あはは!先生可愛い~!」
「…やめなさい。」
栗原の知らない一面を知って、ふと可愛いとその日は思ってしまった。
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