79人が本棚に入れています
本棚に追加
/236ページ
『えーあれが教師かよ。…なんだあの髪型。前見えてんのかよ。』
『なんか怖ーい、不気味。』
その先生を見て、体育館から口々に話し声が聞こえた。
「…静かにしなさい。」
先生が注意しても皆の話し声で埋もれていて声が良く聞こえない。
(いや…。何あの髪型。)
あたしも唖然としていた。
「…栗原先生どうぞ…。」
「…ああ。はい。…えと。栗原です。
私は、この学校で色々学ぶつもりで赴任して参りました。
私も授業はしますが、
が…
興味ない人はそこまで私の授業に対して学ぶ必要はないので。」
(…は?)
今なんて言った…?
いやいや教師になろうとしてる人が何言ってんの?
この先生、何考えてるか分からない…。
「く、栗原先生?」
「ああ…。」
そう言って栗原先生はマイクから手を離した。
そして
「…よろしくお願い致します。」
そう言って頭を下げた。
生徒のあたし達は何が起きたか分からず
何も分からないまま
…パチパチ
拍手をするしかなかった。
小さい拍手だけが、体育館に響いていた。
最初のコメントを投稿しよう!