思い出を撮る女

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 雪の舞う中、彼女はカメラを構えていた。 「こんなところで何をしてるの?」  私は声をかけた。 「思い出を撮っているの」  彼女を遠くを見つめて言った。 「思い出?」 「そう、思い出……  昔、好きな人と来たの……  とっても素敵な人だった……  だから、その時の記憶を、思いをカメラに収めようと……  あなたはどうしてここに?」  私は溜息を吐いた。 「通報があったから」 「通報?」 「男性の露天風呂を盗撮している女がいるって」 「私はただ、思い出を……」 「詳しいことは改めて署で聞くから」 「あ、いや、だから、私は男性の裸を撮りたいんじゃなくて、思い出を……」 「はいはい」  私は雪の舞う中盗撮女を連行した。
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