天才と持て囃されたその末路

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「……ほんと。 過去を思い返せば返す程、意味を無くす仏花だよな」   毎年、こうやって墓前で自嘲しているような気がする。 こんな抱えきれない程の立派な仏花も、所詮は上っ面だけの代物。目前の地底に落ちた魂がこれに喜ぶとは到底思えない。   本音は花など手向けたくもないのに。 それでも、毎年供える事しか出来ない自分を貴方達はどう思うのだろうか。 名声や栄光に縋り、その延長線上に俺を置いた貴方達の事だ。 さぞや痛恨の念に苛まれているのだろう。   「…また来るよ」   ――“「天才は常、余裕を魅せているものだ」” 貴方のその言葉を真っ当する為にも、な。     END   NEXT PAGE→作者の主観ありきのあとがき。
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